<子宮頸がんワクチンについて>
接種条件を満たした方に
「シルガード9」を接種することができます。
子宮頸がんについて
ヒトパピローマウイルスワクチン接種を受けるにあたって
(子宮頸がん予防ワクチン)
●接種前に、保護者が必ずお読みください
1 子宮頸がんとヒトパピローマウイルス(HPV)について
子宮頸がんは、日本では年間約8,500人が発症し約2,500人が死亡しているがんであり、女性特有のがんの中では第2位となっています。全年代の女性がかかる可能性がありますが、20~30代で増加しているのが特徴です。
子宮頸がんは、発がん性ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの持続的な感染が原因となって発症します。HPVには100種類以上の型が存在しますが、発がん性HPVは15種類程度です。そのうち16型、18型が60~70%を占めています。HPVに感染してもほとんどの場合、ウイルスは自然に排除されてしまいますが、排除されずに長期間感染が続く場合があり、ごく一部のケースで数年~数十年かけて前がん病変を経て子宮頸がんを発症します。HPVの感染はほとんどが性交渉によるもので、性交経験がある女性であれば誰でも感染する可能性があり、発症してがん化した場合、ごく初期のがんを除いては子宮摘出となる可能性があります。
2 ヒトパピローマウイルスワクチン(HPVワクチン)の概要と接種スケジュール
・ワクチンの概要
HPVワクチンは2種類あります。いずれのワクチンも子宮頸がんの60~70%の予防に効果的といわれていますが、すべての発がん性HPVの感染を予防できるわけではありません。接種後も定期的な子宮頸がん検診の受診が必要です。
●[HPV2価ワクチン(商品名「サーバリックスⓇ」)]
子宮頸がんおよびその前がん病変の発症に関係しているHPVのうち、HPV16型、HPV18型の感染を予防するワクチンです。
国内臨床試験において接種を受けた612例のうち、局所の特定した症状の副反応は、疼痛(99.0%)、発赤(88.2%)、腫張(78.8%)がみられ、全身性の特定した症状の副反応は、疲労(57.7%)、筋痛(45.3%)、頭痛(37.9%)、胃腸症状(24.7%)、関節痛(20.3%)、発疹(5.7%)、発熱(5.6%)、蕁麻疹(2.6%)などがみられました。重篤な副反応としてはショック・アナフィラキシー様症状(頻度不明)であり、海外でのみ報告がありました。また、接種後に血管迷走神経反射として失神があらわれ、失神により転倒し負傷する可能性があります。
●[HPV4価ワクチン(商品名「ガーダシルⓇ」)]
子宮頸がんおよびその前がん病変、外陰上皮内腫瘍、膣上皮内腫瘍、尖圭コンジローマなどの発症に関係しているHPVのうち、HPV6型、HPV11型、HPV16型、HPV18型の感染を予防するワクチンです。
国内臨床試験において接種を受けた562例のうち、局所の特定した症状の副反応は、疼痛(82.7%)、紅斑(32.0%)、腫張(28.3%)、そう痒感(6.4%)、出血(1.8%)、不快感(1.6%)などがみられ、全身性の特定した症状の副反応は、発熱(5.7%)、頭痛(3.7%)であった。その他、白血球数増加(0.4%)などが認められました。重篤な副反応としてはまれに過敏症反応(アナフィラキシー反応、アナフィラキシー様反応、気管支けいれん、蕁麻疹等)、ギラン・バレー症候群(頻度不明)、血小板減少性紫斑病(頻度不明)、急性散在性脳脊髄炎(頻度不明)があらわれることがあります。また、接種後に血管迷走神経反射として失神があらわれ、失神により転倒し負傷する可能性があります。
接種スケジュール(接種回数は3回) ★注意:ワクチンの種類によって接種間隔が異なります
接種ワクチン(商品名) |
1回目 |
2回目 |
3回目 |
サーバリックス |
初回接種 |
初回から1か月後 |
初回から6か月後 |
ガーダシル |
初回接種 |
初回から2か月後 |
初回から6か月後 |
(注意)
「サーバリックス」と「ガーダシル」は、いずれも同じワクチンを3回続けて接種することになっています。
片方を接種後にもう片方を接種する効果や安全性は分かっていません。そのため、途中でワクチンを変更せず、必ず同じ種類のワクチンを3回接種してください。
3 接種にあたっての注意事項
予防接種の実施において、体調の良い日に行うことが原則です。かかりつけ医などに相談の上、接種するか否かを決めてください。
また、次のような場合には、予防接種を受けることができません。
①明らかに発熱(通常37.5℃を超える場合)がある場合
②重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな場合
③明らかに免疫機能に異常がある疾患を有する場合及び免疫抑制をきたす治療を受けている場合
④妊娠している、又は妊娠している可能性のある場合
⑤その他、医師が不適当な状態と判断した場合
4 接種後の注意事項
①接種後30分間は、ショックやアナフィラキシー等が起こることがありますので、医師とすぐ連絡がとれるようにしておきましょう。
②接種後に高熱やけいれんなどの異常が出現した場合は、速やかに医師の診察を受けてください。
③接種後1週間は体調に注意しましょう。また、接種後、強い痛みがある場合や、痛みが長く続いている場合など、気になる症状があるときは医師にご相談ください。
④このワクチンの接種後、違うワクチンの接種をする場合には、6日間以上の間隔をあける必要があります。
⑤接種部位は清潔に保ちましょう。入浴は問題ありませんが、接種部位をこすることはやめましょう。
⑥接種後丸1日は激しい運動は避けてください。その他はいつも通りの生活で結構です。
5 予防接種による健康被害救済制度
HPVワクチン接種を受けたことによって重大な健康被害が生じた場合、和歌山市予防接種事故災害補償規則に基づく補償又は独立行政法人医薬品機器総合機構がら救済を受けることができます。ただし、その健康被害が予防接種によって引き起こされたものなのか、別の要因(予防接種の前後に紛れ込んだ感染症あるいは別の原因など)によるものかを審議し因果関係を認定された場合に限ります。
<お問合せ先> 和歌山市保健所保健対策課 TEL: 433-2261
和歌山市感染症情報センター http://www.kansen-wakayama.jp